FLASHには致命的な脆弱性があると言うことでたびたび問題視されてきていましたが、今現在、悪質な広告はほとんど全てといって良いほどFlashを利用しているのが現状です。
元々FLASHの消滅は、多くの開発者から望まれていました。
ここにきてGoogleとMicrosoftがFLASHで作成されたコンテンツをブロックする方針を打ち出してきました。
その手始めとしてGoogleは、Webブラウザ「Chrome 55」安定版のエンドユーザー約1%を対象としてFlashの再生をブロックすると表明しました。
さらに2017年2月にリリースする「Chrome 56」では、全てのエンドユーザーを対象にFlashの再生をブロックし、デフォルトで「HTML5」のコンテンツを表示可能にする方針のようです。
Googleでデフォルト設定を担当するエリック・ダイリー氏は、ブログに以下のように記しています。
2017年1月から、ユーザーが初めて訪れるWebサイトでは、Flashを実行するかどうか選択する形になる。ユーザーの許可を求めるメッセージを頻繁に出したくないので、将来は「Site Engagement Index」を使ってこの制限を強化する方針だ。これは、ユーザーのブラウジング行動に基づいて、Webサイトでのユーザーの操作を把握するヒューリスティック技術のこと。2017年10月には、全てのWebサイトでFlashの動作許可をユーザーに求めるようになる。
MicrosoftはWindows 10の大型アップデート「Windows 10 Anniversary Update」において、Webブラウザ「Microsoft Edge」の実行時に、エンドユーザーがFlashの実行の可否を選択できるようにしました。
Microsoft Edgeを担当するシニアプログラムマネジャーのクリスピン・コーワン氏は、ブログ記事に以下のように記しています。
HTML5をサポートするWebサイトは、デフォルトでHTML5だけを使用するようになる。この場合、Flashを読み込むこともないので、パフォーマンスやバッテリー寿命、セキュリティが向上する。Flashにまだ依存しているWebサイトの場合、ユーザーはFlashを読み込んで実行するかどうかを選択できる。この設定は記憶され、以後に同じWebサイトにアクセスしたときに反映される。
Webブラウザ「Safari」や「Firefox」では既にFlashの利用を制限する措置を講じています。
つまり、今既に一部のブラウザではデフォルトでFLASHが見れない状況下にありますが、これからはほぼ全てのブラウザがデフォルトでFLASHコンテンツが見れなくなります。
そしてその代替策としてHTML5に統一されるようです。
これによって間違いなく近い将来FLASHは死滅し、かわりにHTML5の普及が急速に進むと考えられます。
その昔、Macromedeiaという会社が開発したFLASHですが、一時期は綺麗で動的なサイトを作るにはFLASHが必須と言う時代もあり、その後Adobeが買収したと言う歴史がありますが、これからは誰も見ることが出来なくなるため、FLASHで作成したサイトなどはどんどん消えていくでしょう。
動くサイトバナーにFLASHを使用しているようなサイトも早めに代替に差し替えたほうが良さそうです。