welq-2

 

風吹です。
DeNAが運営するキュレーションサイトWELQが今とても話題になっています。

 

DeNA(ディーエヌエー)は東証一部上場企業であり、かつてはヤフオクの次に大きいショッピングサイトBIDDERSや、ガラケー全盛期のモバオクを運営していたことでも有名で、知っている方も多いと思います。

 

そのDeNAが運営するWELQは、「あなたのココロとカラダの悩みをスッキリ解消できるヘルスケア情報のキュレーションメディア」と謳っていたのですが、その記事の引用元が不明であったり、他のサイトからの転載が問題となり、今現在閉鎖に追い込まれています。

 

 

WELQの問題点

WELQは2015年10月にサービスが開始。
https://welq.jp/

welq-1

当時、DeNAは、これからの収益の柱としてキュレーションメディア展開していく構想でしたが短期間に記事を大量生産するためにクラウドソーイングを使ったのが、結果的に致命傷となったわけです。

 

ちなみにクラウドソーシングとは、仕事の発注者と仕事を請け負いたい人を結びつけるマッチングサイトで、有名どころではランサーズ、クラウドワークスなどがあります。

 

1文字1円にも満たない報酬

元々クラウドソーシングに大きな問題がありました。
それは、発注者市場であるがために、単価があり得ないくらい安いことです。

 

今回のWELQ問題で取り沙汰されているランサーズなんかもそうですが、とにかく単価が安い。

 

仕事を自分で請け負えない初心者SOHOさんが非常に多いため、発注者側が幾ら安い報酬を提示しても、次々と名乗りを上げてい来るのが現状なんですよね。

 

なのでトラブルも多いです。

 

需要と供給の関係もあるので、発注者側ばかりを責める事も出来ませんが、あまりにも報酬単価が安いため、仕事を進めていくうちに請け負った側が嫌になってしまって逃げ出すケースが結構多いです。

 

なので、仕事の依頼記事を見ているとよく目にするのが、

「最後まで責任を持って仕事をやっていただける方」

なんて文字です。

 

僕はこれを見るたびに笑っちゃってたんですが、
実際に仕事を請け負うと、素人目に思うよりも、付随作業や、細かい調整などにかなり手間がかかるものなんですよね。これを初心者のSOHOさんが流れを読めず、あまりに安い金額で請け負ってしまうため、実際に仕事を進めていくと、発注者からの細かい指示があまりにも多くて嫌気をさして逃げ出すと言う構図です。

 

「こんなに安いのにそこまでやってられない」というのが本音でしょうね。
その単価で仕事を請け負っておいてです。

 

請け負う側にも大いに問題がありますが、発注する側も、幾ら安くても受け大手もらえるからと言ってとことん叩いているから痛い目を見るわけです。相場よりも著しく安い金額平気で提示している代償とも言えますね。

 

更に少し利口な人はどうするかと言うと、「安い仕事なので手間をかけない」と言うことに全勢力を傾けます。

 

今回のWELQで当てはめると、SEO的にボーダーラインである8000文字の記事を2000円~8000円で依頼してたわけですが、これって1文字いくらで計算すると最高で1円、最低で、0.25円です。

 

こんなもの、まじめにクオリティの高い記事を書いていたら飯が食えなくて死んでしまいますのでさっと記事が作れる仕組みを用意するに決まってるんですよね。

 

簡単に言うとコピペロボットにやらせるわけです。
市販されているリライトツールはそのままでは使えないものばかりですが、中には用途や使用方法、ジャンルによっては使えるものもあるようですし、高性能なBOTも存在しています。

 

一般の方がこのBOTを手にすることはあまり無いのですが、ランサーズなどで低単価で記事を請け負っている人の中にはBOTを併用して使っている方も多いようです。

 

このBOTは元々、全盛期の出会い系サイトに使われていた技術です。
そうです。出会い系サイトに登録すると、次々と女の子からメッセージが届くあれです。

 

このBOTとリライトツールをうまく使い、自動で2000文字以上の記事を1日に1000件以上作成することも可能です。

 

BOTで作成される記事のクオリティは非常に高い

出会い系サイトで培われたBOT技術はかなり高く、品質高い記事を作成することが可能です。
と言っても、「まるで人間が書いたような記事」というだけで、専門分野における記事の内容自体は高くできないんです。

 

どういうことかというと、今回のWELQで問題になったのは、

「肩こりの原因の一つに霊がついている可能性があるそうです」や、「一部のサプリメントががんやインフルエンザに効く」などと断言していたりと、薬機法に抵触する記事が無数にあったことです。

 

医療関係者のチェックを経ず、検索上位に大量に並ぶ結果となったために炎上したと言うわけです。

 

さらにWELQはキュレーションメディアであると言うことを盾にして、DeNAは記事の内容に責任を負わないとしました。

 

要するに、キュレーションサイトなので、ユーザーの書いた記事には責任を覆う必要が無いとしたんです。

 

以下がWELQサイト上に記載されていた内容です。

当社は、この記事の情報及びこの情報を用いて行う利用者の判断について、正確性、完全性、有益性、特定目的への適合性、その他一切について責任を負うものではありません。この記事の情報を用いて行う行動に関する判断・決定は、利用者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。

 

しかし、実態は違ったんですよね。

 

WELQに記事を大量生産した方法とは?

WELQの運営元であるDeNAは、データの分析を行い、検索エンジンにて上位を狙える記事のテーマや構成を決め、その後、クラウドソーシングに仕事依頼を出していたんです。

 

どういうことかというと、

1.WELQ編集部がテーマや構成を決めて仕事を依頼する
2.WELQ編集部の配布するマニュアルに沿ってライターに記事を作成させる
3.出来上がった記事をWELQ編集部で編集し、アップする

 

このようなフローで記事が大量生産されていたわけで、

 

キュレーションサイトなので当社は知りません

 

というのは全くもって通用しない話です。

 

WELQのビジネスモデルは有りか無しか?

今回のWELQ問題で、巷では色々言われていますが、ビジネスモデルとしてどうなのかと言う事については賛否両論あるかとは思います。

 

倫理的にどうかということは置いておいて、ビジネスモデルとしてどうかと聞かれたら、
僕はありなんじゃないかなと思います。

 

今回の問題の発端となった「自殺」というキーワードでのSEO対策についてはもう少し配慮が必要だったとは思います。

外注BOTを利用したことでデマ医療情報やニセ科学情報が平気で記載されていた点も、薬機法に抵触する可能性が極めて高いため、反省や改善は必要だとは思います。

 

鬼のように安い単価で仕事依頼をしたために、必要以上に炎上した点もあるかとは思いますが、やり方としては僕はうまいなあと思いますし、見習う点も多々あると思います。

 

現在、WELQをはじめとするキュレーション展開されている10サイト中9サイトが閉鎖されていますが、今回の問題点は問題点として真摯に受け止め、DeNAさんにはもう一度奮起してもらいたいものです。

 

最新ネットビジネス速報をいち早くお届け!

有益な情報を最新で配信しています。

メルマガ登録